養護教諭をしています。30代女性のぴっぴです。
私自身、中学から大学、働いてからの数年間、およそ14年間、おならで苦しみました。
一番最初の記憶は中学一年生の秋、授業中おならがしたくなってしまったのですが、ガマンの仕方が分からず、大きな音を立てて出してしまいました。
おそるおそる後ろを振り返ると、男子が私を指さしていました。
その一件から、おならに対する恐怖がつきまとうようになりました。
いえ、そもそも、小学校高学年から、ホルモンの影響なのかストレスなのか、おならの量は増えていた気がします。それ以前はお腹の調子など、何も気にしなくても授業は受けられたのに、それ以降は常にお腹に意識が向いている状況でした。授業に集中できないことも多々ありました。
授業中のおならが止まらなくなり、ひどいときは臭いもついてきます。でも何より怖かったのが、おならをしたのはあいつだ、と人にばれることでした。
つまり音が出ることです。音が出ないように考えたのが、おしりに丸めたティッシュをはさむ方法でした。これをすれば、たいてい音を出すことなくおならができました。たまに失敗して、授業中に音が出たことがありましたが、恥ずかしいし、犯人は自分だとばれるのが嫌で、必死で知らんぷりをしていました。
友達に同情から肩を叩かれたこともありましたが、知らんぷり。
音対策はできましたが、臭い対策はできません。後ろの席の男子が、机を離したり、私を睨んできたりしたこともありました。バレていると思い、傷つきました。
当時は自分のことしか考えられませんでしたが、今から考えると、周りにも多大な迷惑をかけていたと思います。
学校で恐怖だったのが、授業中だけでなく、集会などの体育座りでした。お腹の調子がよくても、おならが出ないか心配でした。体育座りをすると、おしりのティッシュが潰れて音が出る可能性が高かったからです。
もうひとつは、宿泊学習です。普段と生活がかわるからか、十分な排便ができず、それがおならの臭いにも影響します。夜に体育座りをして話を聞く場面で、我慢できずにおしりを浮かしてしてしまったことがあります。密集している友達の横でおならをするのは屈辱でした。
この時も、今から思うと、先生に助けを求めてトイレに行く方法もありましたが、当時は、先生にも知られたくなかったし、トイレに行って何て思われるかということの恐怖もあったため、その場を逃げ出すという選択肢はありませんでした。
実際に、高校の授業中、席替えで一番前になってしまったときに大きなおならをしてしまったのですが、そのとき、目の前の先生は、フッと笑っただけでした。
親には、先生におならのことと、席を一番うしろにしてもらえるよう言ってあげようか、と言われたこともありましたが、周囲に知られることを一番に恐れていたので、拒否しました。
そんなふうに、戦場を切り抜けるように必死で毎日を過ごしていたのですが、心にも影響しました。なぜ自分だけおならがでるのか、なぜみんな平気で授業をうけられるのか。恥や情けなさや理不尽さや恐怖感、自分だけ人より劣っているという感覚は今でも強く残っています。
自分に自信がないし、人と近しくなることに抵抗があります。大学の時、教授に、「認知が歪んでいる」と言われたことがあります。確かに自分に絶望し、他人を羨望し、世の中を斜めから見る癖が、いつからかついたと思います。
二次障害です。
高校に入って勇気を出して保健室に行き、ようやく過敏性腸症候群の病名と出会いました。双子の姉もおなじ症状があるのですが、その時まで、世界でこの症状は私たちだけの特異体質と思っていました。親に相談しても、誰でも出るものだといわれ、保健センターに電話をして、10分に30回ほどおならが出ると言ったら笑われたこともありました。
絶望で、包丁で腹を刺そうとしたこともありました。なので病名がついたことが本当にうれしかったです。
この経験から養護教諭になったのですが、働いてみてから、学生時代以上の困難がありました。
児童生徒と違いいつでも移動できるのでおならの対処はしやすくなったのですが、問題は対人関係でした。人より劣っているという感覚から、対人恐怖の症状がでたのです。
これまでは、おならの課題が第一で、話すといっても同級生ばかりだったので、異年齢の人とうまく交流できなくなっていました。うつ状態で休職したこともありました。色々と悩み、心理の勉強や、体質改善、認知行動療法などもし、今に至ります。ちなみに結婚して子供もいます。
自分など養護教諭として働いていてよいのか自信がないですが、今は小学校勤務なので、いつか中学で同じ症状の子がいたら助けてあげたい、IBSのことを保健だよりに書いて広めたい!という思いがあり、ずるずる続けています。
最近は、ストレスがたまったり生理前になるとおならが出て、私は我慢ができないので、困る場面が時々ありました。そんなときネットショッピングでおなら消臭パンツを見つけました。はいたときの安心感といったらないですね。
もし過去に戻れるなら、中学の自分に教えてあげたいです。高価なので親の理解がないと購入はむずかしいかもしれませんが。子供でも買えるような安価な商品の開発も希望します。
学校にメッセージを広めてくださるとのことで体験談を書きました。よい取り組みですね。一人で悩んでいる子供に少しでも楽になってもらえたらと思います。
本人には、一人で悩まずに勇気を出して相談してほしいです。
学校には、IBSを知って、注意深く子供を観察し、必要時は医療につなげたり、校内で避難できる場所を提供したりと、安心できる環境を作っていただきたいです。
親には、子供の悩みを否定せずに聞いてあげてほしいです。
辛い病気ですが、治らない病気ではありません。命だけは自ら落とさないように、と、伝えたいです。
長文になり申し訳ありません。読んでくださりありがとうございました。
みんなのコメント
本人です。
2ヶ月前からまたおならが頻繁に出るようになり、消臭パンツが手離せなくなりました。(2年前に購入したものですが、まだ効果があります)
やはり、不安や抑うつが強いと、腸内のセロトニンが減って腸内バランスが崩れるからか、おならが増える気がします。
件名のミキプルーンですが、私がガス型を治したきっかけを思い出したので書きました。
25才の時、親の相談を受けて親戚からミキプルーンを薦められ、1日に一瓶だったか、かなりの量をお湯で割って飲んで下痢をさせるという方法を1ヶ月行いました。(休職中だったのでできました。ミキプルーンの販売者の方にやり方を教わりました)
すると腸内の環境が改善したためか、おならがピタリと止んだのです。
ミキプルーンは高価ですが、もしお財布と時間があればされてみてもよいかもしれません。